大腸ポリープは、初期の段階ではほとんど症状がありません。しかし、進行すると血便や下痢、便の異常、おならの変化、腹痛など、違和感として現れることがあります。大腸ポリープの一部は将来的に大腸がんへと進行する可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。
この記事では、大腸ポリープの症状を詳しく解説するとともに、自分でできるチェック方法や受診の目安についても紹介します。「もしかして自分も…?」と気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
■あなたのその症状、大腸ポリープのサインかもしれません
自覚症状が出にくいため、知らないうちに進行してしまうこともあるのが大腸ポリープの特徴です。
◎大腸ポリープとは?知っておきたい基本情報
大腸ポリープとは、大腸の内側の粘膜がイボのように盛り上がった状態のことです。
多くは良性ですが、中には「腺腫」という将来的にがんに進行する可能性のある「前がん病変」も含まれており、早期の発見と治療が極めて重要です。
◎症状が出にくいからこそ、見逃されやすい病気です
小さなポリープはほとんど症状を起こさないため、健康診断や内視鏡検査で偶然見つかることが多いのが実情です。そのため「気づいたときには進行していた」というケースも珍しくありません。
■大腸ポリープの代表的な症状とは
症状が出にくいとはいえ、大きくなるにつれて体に症状が現れることがあります。体からの小さなサインを見逃さないためのポイントを解説します。
◎血便が出た!がんだけじゃない、大腸ポリープも原因に
大腸ポリープの中でも肛門に近い部位にできたものは、排便時にこすれて出血することがあります。便に赤い血が混じっている、トイレットペーパーに鮮やかな血がついているなどの症状があれば注意しましょう。
逆に黒っぽいタール便や便全体に混ざるような出血は、より上部の腸からの出血の可能性もあります。
◎おならが臭い・増えた?腸内環境の異変かも
日常的なおならの変化は、腸の不調を知らせる重要なサインです。ポリープが大きくなってくると、腸の中でガスの流れが滞り、おならが増えたり、においがきつくなったりすることがあります。
腸内のガスが滞留しやすくなることで、悪玉菌の活動が活発になり、においの原因物質が増加することが理由です。
◎腹痛・腹部の違和感・便の形が細い…進行したポリープで起こる変化
排便時の痛みや、腹部の片側に鈍い痛みを感じる場合もあります。これは、腸のどこかで便が滞留しているサインかもしれません。
ある程度の大きさになったポリープは、腸の中で便の通過を妨げるようになります。その結果、腹部の張り(膨満感)や、繰り返す便秘、便が異常に細いといった症状が見られることがあります。
◎便のにおい・色・形から読み取る体からのSOS
大腸の健康状態は、便の状態に最も表れやすいといわれています。ポリープができると、便に粘液が混じる、表面がツルツルしていない、部分的に赤くなっているなど、目に見える変化が現れることがあります。
便のにおいが以前より強くなったり、色が黒っぽくなったりするのも重要なサインです。こうした変化は腸内の炎症や出血を反映している場合があるため、見過ごしてはいけません。
■大腸ポリープを疑ったらまずこれ!セルフチェックで体の声を聞こう
「検査に行くほどでもないけれど、気になる症状がある」そんなとき、自分でできるチェック項目を確認してみましょう。
◎大腸ポリープセルフチェックリスト
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最近、血便を見たことがある
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おならのにおい・頻度が以前より変わった
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便が細くなった、形がいびつになった
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便秘と下痢を繰り返す
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腹痛・膨満感が続く
上記の1つでも該当すれば、念のため医療機関での相談・検査をおすすめします。
◎症状がなくても検査を受けたほうがいい方は?
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50歳以上の方
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肉類中心の食生活で野菜・食物繊維が少ない
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喫煙・飲酒の習慣がある
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運動不足の方
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家族(親や兄弟)に大腸がんやポリープがある
自覚症状がまったくなくても、1つでも当てはまる場合は、念のため検査を受けておくと安心です。
◎こんな症状が続くときは早めの受診を
血便や腹痛、下痢・便秘の繰り返しといった症状が続く場合は、自己判断で様子を見るよりも、医療機関での検査が望ましいです。便潜血検査や内視鏡検査で早期発見につながるケースが多く、早めの対応が安心につながります。
■大腸ポリープを見つける検査方法は?
ポリープを発見するためには、以下のような検査があります。
◎便潜血検査
2日間の便を調べて、血液の有無を確認します。簡単にできるスクリーニングですが、出血していないポリープは検出できないこともあります。
◎大腸内視鏡検査
確実な検査方法です。ポリープを直接観察し、その場で切除や生検(細胞採取)もできます。無症状でも定期的に受けることで早期発見につながります。
◎注腸造影検査・大腸CT検査・カプセル内視鏡
位置や形の確認には有効ですが、確定診断には内視鏡が必要です。
■気づかないうちに進行する前に、「腸の声」に耳を傾けて
大腸ポリープは、多くの場合無症状のまま進行します。しかし、おならの変化・血便・腹部の違和感・便の異常など、小さなサインが体に現れているかもしれません。日常のちょっとした変化が、大腸ポリープのサインです。
不安を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。当院では、一人ひとりの声に耳を傾けながら、初めての方でも安心して通える環境をご用意し、ライフスタイルに寄り添った治療提案を行ってまいります。気づいたときが“一番早いタイミング”です。