
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることになったとき、多くの方が気になるのが「食事」についてかもしれません。
大腸内視鏡検査の食事は、検査を安全かつ正確に行うための大切な準備のひとつです。
今回は、検査前、当日、そして検査後(ポリープ切除の有無)の場面に分けて、食べていい物や控えた方がいい物をわかりやすく解説します。
目次
■【検査前】大腸内視鏡検査前の食事はどうする?
検査前の食事で気をつけたいのは、「消化が良く、腸にカスが残りにくいものを食べる」ということです。日本消化器内視鏡学会でも、前日の食事は夜の21時頃までに済ませるよう案内されています。
食事制限の開始時期は医療機関によって異なり、前日だけでなく、検査2〜3日前から海藻類・きのこ類・こんにゃく・食物繊維の多い野菜などを控えるよう案内される場合もあります。
◎安心して食べられる!消化の良い食品の具体例
腸にやさしいメニューの基本は、食物繊維が少なく、脂っこくないものです。複数の病院資料でも、以下のような食材が推奨されています。
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主食: 白ご飯、おかゆ、素うどん、食パン
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おかず: 卵、豆腐、白身魚や焼き魚、具の入っていないお味噌汁
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デザート: バナナ、皮や種を取り除いたりんご、プリン、ゼリー
これらは胃の中にとどまる時間が短く、腸をスムーズに通過してくれるため、検査前の食事にぴったりです。
◎検査前に避けたい食べ物
普段は健康に良いとされる食品でも、食物繊維が多いものは腸に長く残りやすいため、検査の前は控えると良いでしょう。
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海藻類: わかめ、昆布、ひじきなど
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きのこ類: しいたけ、えのきなど
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その他繊維質の多いもの: こんにゃく、山菜、ごぼうやセロリなどの野菜
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種や粒が残るもの: キウイやイチゴなどの種の多い果物、ゴマ、ナッツ類
これらを食べてしまうと、下剤を飲んでも腸の壁にへばりついてしまい、検査の精度が落ちてしまうため注意しましょう。
◎クリニック専用の「検査食」を活用するケースも
食事の準備が不安な方のために、あらかじめクリニックから専用の食事が渡されることもあります。
当院は、前日の朝・昼・夕の3食すべて、病院からお渡しした「検査食」を食べていただく形をとっています。「これを食べても大丈夫かな?」とスーパーで悩む必要もありません。
■【検査当日】基本は絶食!水分補給の注意点
検査当日は、固形物を食べることは一切できません。朝から絶食をして、専用のお薬(腸管洗浄液)を使って腸をきれいにする作業に専念することになります。
当日は朝から食事をとることはできませんが、脱水症状を防ぐために水分補給はしっかり行ってかまいません。
このときの飲み物は、水、白湯、薄いお茶などが基本です。施設によってはスポーツドリンクがOKの場合もあります。
ただし、コーヒー、濃い紅茶、乳製品、果肉の入った飲み物などは腸内に色やカスが残ってしまうため控えるよう案内されることが一般的です。必ず受診先の指示に従いましょう。
■【検査後】結果や鎮静剤の有無で変わる?ポリープ切除後の注意点
検査が無事に終わったあとの食事や過ごし方は、「ただ腸の中を観察しただけ(処置なし)」なのか、「検査中にポリープを切除したり、組織をつまんで調べたりした(生検・処置あり)」のかで大きく変わります。
また、検査中の麻酔(鎮静剤)の有無によっても制限があるケースも。
◎鎮静剤を使った場合の当日の行動制限
苦痛を和らげるために静脈麻酔などの「鎮静剤」を使用した場合は、検査後もしばらく薬の影響が残ります。
そのため、当日は車、バイク、自転車などの運転を控えないといけません。ご自身の運転での来院は避け、ご家族の送迎や公共交通機関を利用しましょう。
◎観察のみ(処置なし)の場合の食事
検査中に特別な処置がなく、観察だけで終わった場合は、検査後にお腹の張りが落ち着き、少しお水を飲んでみて異常がなければ、少しずつ食事を始めてかまいません。特に食事内容の厳しい制限はありません。
ただし、腸の中を空っぽにした直後なので、いきなり脂っこいお肉や激辛料理を食べると胃腸がびっくりしてしまいます。
最初はうどんやおかゆなど、胃腸に負担をかけない温かくて消化の良いものから食べるのがおすすめです。
◎大腸ポリープを切除した場合の食事・生活制限
ポリープを切除したり、検査のために組織の一部を取ったりした後は、腸の粘膜に傷ができている状態です。そのため、傷口から出血するのを防ぐために、生活や食事に注意が必要です。
制限の期間は、切除したポリープの大きさや数、処置の内容、そして施設の方針によって異なります。
例えば、A大学病院では「食事は4日間ほど消化の良いものにし、運動や旅行、飲酒は1週間程度控える」、B大学病院では「約2週間」の制限が必要になると案内している場合があるのです。
アルコールや香辛料などの刺激物は血流を良くして出血の原因になってしまうことがあるため、いつから通常の食事や生活に戻してよいかは、必ず医師の指示をしっかりと守るようにしてください。
■食事に迷ったら必ず受診先のクリニックの指示に従おう
大腸内視鏡検査の準備やその後の過ごし方は、受ける方の体調やお薬の状況、そして病院の設備によってルールが変わります。
インターネットの情報は、あくまで基本的な仕組みを理解するための目安として活用してください。大切なのは、「最終的には受診先の指示を優先する」ということです。
当院で検査を受けられる方は、渡されたパンフレットをよく読み、普段飲んでいるお薬の扱いや食事についてわからないことがあれば、気軽にご相談ください。
