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しまい込んだ結果票を、もう一度開いてみる
会社から再検査の状況を尋ねられ、引き出しの結果票を見直す方は少なくありません。「要再検査」は病気の確定ではなく、追加の確認を求める判定です。とはいえ、症状がないまま先延ばしにすると、原因を確かめる時期が遅れることがあります。この記事では、肝機能と便潜血を例に、結果票の読み方と受診の準備を整理しました。
この記事の要点まとめ
- 要再検査は病名の確定ではありません。結果票の数値や判定、受診時期を確認しましょう。
- 肝機能と便潜血では必要な確認が異なります。症状だけで判断せず、医療機関に相談しましょう。
- 仕事が忙しい場合も受診期限を確認し、健診結果や服薬・勤務状況を受診時に伝えましょう。
「要再検査」を放置すると、症状がなくても何が問題になりますか?
要再検査と書かれていても、病気と決まったわけではありません。問題になり得るのは、数値が外れた理由を確かめる時期が遅れ、その後の対応を考える時期も後ろにずれていくことです。
「要再検査」と「要精密検査」は病名を示すのでしょうか?
どちらも病名ではなく、追加の確認を促す判定区分です。一般に、要再検査は同じ検査をもう一度受けること、要精密検査は別の詳しい検査を受けることを指します。ただし、言葉の使い方や検査の中身は健診機関によって異なります。
糖尿病の診断では、基準に当てはまる血糖値が別の日の検査で2回以上確認された場合などに判断されます1。一度の健診の数値だけで自己診断はできません。
体調が普段どおりでも、なぜ確認が必要なのでしょうか?
肝臓や腸の変化は、自覚症状として表に出にくいことがあるためです。「体調がいいから問題ない」とは言い切れません。
一方で、しばらく受診していなかったからといって、病気があると決まるわけでもありません。結果票の数値だけで病気の有無を決めず、必要な確認について医師に相談してください。数値が何を意味するのかは、医師と一緒に確かめていきましょう。
ポイント
要再検査は病名ではなく「確認してください」という合図です。症状の有無ではなく、結果票の指示をもとに受診を考えましょう。
健診が終わったら、結果票のどこを先に見ますか?
総合判定より先に、項目ごとの記載を確認します。
- 項目別の判定区分と数値
- 前年・前々年の結果との違い
- 受診時期(「○か月以内」など)と受診先の診療科
- 紹介状が同封されているかどうか
肝機能と便潜血の要再検査は、なぜ先延ばしにしない方がよいのですか?

二つの項目は、確かめたい原因も次に行う検査も異なります。そのため、まとめて「様子見」にはせず、それぞれの指示を確認してください。
AST・ALT・γ-GTPの指摘は、どこへ相談しますか?
結果票に受診先の指定がなければ、内科や消化器内科への相談を検討します。AST・ALT・γ-GTP(肝臓の状態を反映する血液検査の数値)については、医師に相談してください。飲酒、服用中の薬、体重の変化、睡眠や食事の時間帯なども伝えてください。
数値だけで原因は決められません。再採血や腹部の画像検査が必要かどうかは、診察で判断されます。交替勤務で食事や飲酒の時間がずれているなら、そのまま医師に伝えてください。
便潜血の指摘を、痔や目に見える血便の有無だけで判断できますか?
判断できません。便潜血検査は、目に見えないほど少量の血液を調べる検査です2。痔がある方でも、出血の原因が痔だけとは限りません。
血便や粘血便に気づいていなくても、指示された確認を受けることが勧められます。目に見える出血がある場合は、次の点を医師に伝えると検査を選ぶ材料になります。
- 色が鮮やかな赤か、暗い色か
- 粘液が混じっているか
- いつ頃から出ているか
便潜血陽性のあとの確認としては、一般に大腸内視鏡検査が検討されます3。
再検査で正常だった場合と、異常が続いた場合はどうしますか?
正常範囲だった場合も、翌年以降の健診で数値の推移を見ていきます。異常が続く場合は、追加の検査や生活面の見直しを医師と相談します。肝機能と便潜血のように複数の項目を指摘されたときは、片方の結果だけで判断せず、両方の結論を確かめてください。
仕事が忙しい場合、いつ受診を手配すればよいですか?

結果票に受診期限が書かれていれば、それを優先して予約を入れます。記載がよくわからないときは、勤務の予定が空くのを待たずに医療機関へ問い合わせてください。受診までの日数は項目や数値によって変わるため、一律には決められません。
受診時期の記載がない、または期限を過ぎたらどうしますか?
判定区分と検査項目がわかる結果票を手元に置き、健診機関か受診先に相談しましょう。期限を過ぎていても、次の健診まで待つ理由にはなりません。職場に産業医がいる場合は、就業上の配慮を含めて相談できることもあります。
血便や強い体調変化があるときも、通常の予約を待ちますか?
次のような症状があるときは、再検査の予約を待たないでください。速やかに医療機関へ相談し、状況によっては救急受診も検討します。
- 多量の出血、黒い便が続く
- 強い腹痛
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
症状が軽くても、健診結果とあわせて伝えておくと、医師が判断しやすくなります。
喉の渇きや尿の回数、足の違和感も伝えた方がよいですか?
はい、伝えてください。たとえば、喉がよく渇く、トイレが近い、夜中に尿で目が覚める、足先がしびれるといった変化です。指摘された項目とは別でも、診察の手がかりになります。
糖尿病は血糖値やHbA1cなどの基準で診断されます1。症状だけで初期症状と決めつけず、健診の数値とあわせて相談しましょう。
ポイント
期限が書かれていれば期限を優先し、書かれていなければ問い合わせを先にします。強い症状があるときは、予約を待たずに相談してください。
健診結果を相談するには、何を準備すればよいですか?
まず、結果票に記された受診先を確認します。肝機能や便潜血の指摘であれば、内科や消化器内科への相談が選択肢になります。
予約時には、判定と症状をどう伝えますか?
予約の際は、次の4点を伝えます。
- 指摘された項目(例:肝機能と便潜血で要再検査)
- 結果票に書かれた受診時期
- いま出ている症状
- 交替勤務の中で都合のつく日時
その日に検査まで進むのか、別の日になるのかも聞いておくと、勤務や家族の予定を組みやすくなります。受ける医療の内容やほかの選択肢を前もって確かめておくと、受診時に相談しやすくなります。
受診当日は、結果票以外に何を持っていきますか?
今年と過去の健診結果、お薬手帳、紹介状(同封されていれば)を持参しましょう。あわせて、飲酒量や勤務時間、睡眠の時間帯を書いたメモがあると話が早く進みます。受診までのあいだは、市販薬やサプリメントで自己流の対処を始めないようにしてください。
通院回数や費用が気になるときは、いつ確認しますか?
予約の段階で確認しておくとよいでしょう。初回の診察のあとで、検査の種類や回数が決まることもあります。費用や健康保険の扱いも、検査内容によって変わります。
インターネット上で見かける金額は一般的な目安であり、当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関によって異なるため、受診先に直接確認してください。
当院では、健診の数値だけでなく、その背景にある事情にも耳を傾けたいと考えています。勤務の都合やご家族の通院の付き添いなど、言葉にしきれない事情もその一つです。健診で指摘された異常についての疑問は、受診先に伝えましょう。薬について考える際も、生活リズムの中で見直せるところを相談できます。通院にかかる時間も踏まえて、予定を立てておくとよいでしょう。
よくある質問
Q. 肝機能の精密検査は、どこで受けられますか?
A. 結果票に受診先の指定があれば、それに従います。指定がなければ、内科や消化器内科へ相談するのが一般的です。血液検査をもう一度行うか、腹部の画像検査まで進むかは、診察のうえで医師が判断します。
Q. 便潜血の再検査は、もう一度便の検査を受ければよいのですか?
A. 便潜血陽性のあとは、便の検査をやり直すより、大腸内視鏡検査などの精密検査を勧められることが多くあります3。どの検査を受けるかは、結果票の指示と医師の判断によって決まります。
Q. 再検査を受けたことは、会社に報告する必要がありますか?
A. 報告の方法や範囲は、会社の規定によって異なります。職場の健康管理担当者や産業医に確認してください。受診結果の書類を求められることもあるため、受診の際に医療機関へ相談しておくと手続きがスムーズです。
Q. 退職予定でも、職場の健康診断は受ける必要がありますか?
A. 受診が必要かどうかは、在籍期間や会社の規定によって異なります。まずは人事や健康管理の担当者に確認しましょう。すでに受けた健診で再検査を指摘されている場合は、退職の時期にかかわらず、結果票の指示に沿って医療機関に相談することをおすすめします。
参考文献
1. 日本糖尿病学会「糖尿病診断基準」 https://www.jds.or.jp/modules/study/index.php?content_id=10
2. 大腸がん検診について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]. https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html
3. 科学的根拠に基づくわが国の大腸がん検診を提言 「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2024年度版公開|国立がん研究センター. https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/1127/index.html
4. Aune D, Otaki Y, Mahamat-Saleh Y, et al. Adiposity and the risk of aortic aneurysm: results from the UK Biobank, Japan-Specific Health Check-ups Study and a systematic review and meta-analysis of cohort studies. European journal of epidemiology. 2026. PMID: 42213332. DOI: 10.1007/s10654-026-01402-5
5. 厚生労働省「確認してください!美容医療の施術を受ける前にもう一度!」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04978.html
1980年 自治医科大学卒業
名古屋第二赤十字病院にて臨床研修
1982年 東栄病院内科
1983年 国保作手村診療所所長
1986年 市立岡崎病院消化器科
1987年 市立岡崎病院消化器科副部長
1989年 市立岡崎病院消化器科部長
1990年 新城市民病院消化器内科医長
1991年 市立岡崎病院消化器科部長
1992年 小森内科クリニック開院
2010年 岡崎市医師会副会長
2014年 岡崎市医師会会長
2018年 岡崎市医師会監事
2020年 岡崎内科医会会長
2020年 愛知県内科医会理事
2022年 岡崎市医師会顧問
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本医師会認定産業医
【所属学会】
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
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