
大腸内視鏡カメラの検査を控え、「もしポリープが見つかったら、また別の日に手術をするのかな?」「費用はいくらかかるんだろう?」と不安に感じている方は多いかもしれません。
大腸ポリープは、放置すると将来がんになる可能性があるため、適切なタイミングで切除することが大切です。
今回は、ポリープが見つかった場合の「その場での切除」や、日帰り手術と入院の違い、保険適用の有無や費用の目安について、わかりやすく解説します。
目次
■大腸ポリープは検査中に「その場で」切除できる?
多くの場合でカメラの検査中にポリープが見つかれば、そのまま同じ日に切除することが可能です。体への負担やスケジュールの調整を減らせます。
わざわざ別の日にもう一度下剤を飲んで検査を受け直す必要はありません。内視鏡の先端から専用の細い器具(スネア)を出し、ポリープを根本から切り取る治療を行います。
◎同日切除が可能な理由とメリット
検査中に切除を行うメリットのひとつは、「二度手間」を防げることです。大腸検査には前日からの食事制限や大量の下剤服用が必要ですが、見つかったその場で行うことで、一度の準備で治療まで完結できます。
切り取ったポリープはそのまま回収し、がん細胞が含まれていないか詳しく調べられます。
◎その場で切除せず、後日になるケース
基本的にはその場で切除できますが、大きさ・形・内服薬・安全性によっては後日(入院治療を含む)になることもあります。
血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいて事前の調整が必要な場合や、ポリープが大きく複雑な形をしている場合などです。また、腸の中に便が多く残っていて安全な切除が難しいときも、無理に治療を行わない場合があります。
■日帰り手術で済む? 入院が必要になる目安は
日帰りで安全に治療できるか、それとも入院して経過をしっかり見るべきかは、主に「切除後の出血リスク」を基準に医師が判断します。
◎日帰りと入院を分ける「ポリープの大きさ」の目安
目安として、おおむね1cm前後までの小さめなポリープであれば、日帰りでの切除が可能なことがほとんどです。
サイズが2cm前後を超えるような大きな病変の場合、高度な技術が必要になったり、後から出血するリスクが高くなったりするため、数日間の入院管理をおすすめするケースが多くなります。
◎持病や内服薬、生活環境による判断
ポリープの大きさだけでなく、患者様の全身状態も考慮します。持病によって血が止まりにくい可能性がある方、一人暮らしで術後の急変に対応しにくい方、あるいは遠方にお住まいで何かあった際にすぐ来院できない方などは、念のため入院して経過を見ることがあります。
■保険は適用される? 費用の目安と金額が変わる理由
「手術」と聞くと高額な費用を心配されるかもしれません。しかし、大腸ポリープの切除は治療行為にあたるため、原則として公的医療保険が適用されます。
人間ドックや健康診断として検査を始めた場合でも、ポリープが見つかって治療(切除)に切り替わった場合は、その手術や病理検査の部分には保険が使えます。
ただし、ドックの契約形態によって扱いが異なる場合があるため、事前にクリニックへ確認しておくとスムーズです。
3割負担の方の場合、手術そのものの自己負担額は20,000円〜30,000円前後が目安となります。これに加えて、事前の採血、鎮静剤、切り取った組織を詳しく調べる「病理検査」などの費用が加算されます。
■切除後の出血はいつ起きる? 術後の生活と受診の目安
無事にポリープを切除した後も、少しだけ注意が必要です。切除した腸の内側は「目に見えない小さなすり傷」のような状態になっており、完全に治るまでには時間がかかります。
注意が必要なのが「遅発性出血」と呼ばれる、手術当日〜1週間程度の間に傷口から血が出てしまうトラブルです。これを防ぐため、術後しばらくは腸に負担をかけない生活を送りましょう。
◎食事や運動など、術後1週間の過ごし方
手術当日は、うどんやおかゆといった消化に良いものを食べ、香辛料などの刺激物や脂っこい食事は数日間避けてください。
また、血の巡りが良くなると出血しやすくなるため、アルコール(お酒)の摂取、激しい運動、重いものを持ち上げる作業、長風呂は術後1週間ほど控える必要があります。気圧の変化で出血しやすくなる飛行機での移動(出張や旅行)も、この期間は避けましょう。
◎すぐに病院へ! 絶対に放置してはいけないサイン
便の表面に少しだけ血がにじむ程度であれば、それほど心配はいりません。万が一、以下のような症状が出た場合は、合併症(遅発性出血など)の可能性があるため、すぐに受診してください。
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便器が赤くなるほどの鮮血が出る
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激しい腹痛が続く
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38℃前後の発熱がある
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冷や汗や立ちくらみがする
■まとめ:日帰り手術で負担を抑えながら、大腸がんリスクをしっかり予防
大腸ポリープは、早期に発見して切除することで、大腸がんになるリスクを大幅に下げられます。現在は日帰り手術という選択肢があるため、仕事や家事に忙しい方でも、日常生活への影響を小さく抑えながら治療を受けることが可能です。
保険適用や費用のこと、術後の生活など、不安な点があればいつでもご相談ください。検査のついでに「将来の不安」を摘み取っておくことが、健康な未来を守るための第一歩となります。
