
「自分は痩せ型だから大丈夫」「健康診断でもBMIは標準だったから問題ない」と安心していませんか?
見た目はスリムでも、筋肉が少なく体脂肪率が高い状態は「隠れ肥満」と呼ばれ、気づかないうちに将来の生活習慣病リスクを高める原因になってしまいます。
今回は、隠れ肥満とはどのような状態なのかをはじめ、なぜ放置すると怖いのか、基準となるBMIや体脂肪率の見分け方、すぐにできるチェックリストまで解説します。
ご自身の本当の体の状態を知るためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
目次
■「太っていない」から大丈夫、は間違い?隠れ肥満の正体とは
体重の数字だけでは見えない健康リスクが潜んでいることがあります。見た目からは分かりにくい、隠れ肥満の正体について紐解いていきましょう。
◎見た目はスリムなのに…「正常体重肥満」という状態
「隠れ肥満」とは、医学的な表現で「正常体重肥満」とも呼ばれる状態です。体重は正常の範囲内におさまっているのに、体脂肪率が高かったり、お腹まわりに内臓脂肪が蓄積していたりします。
服を着ているとスリムに見えることが多く、周りからはもちろん、自分自身でも太っているという自覚を持ちにくいのが特徴です。
◎体重やBMIだけでは安心できない理由
健康診断などでよく目にする「BMI」は、体重と身長から肥満度を計算する世界共通の指標です。日本では、BMIが22のときが病気になりにくく、25以上になると「肥満」と判定されます。
しかし、BMIの計算式(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)では、その体重が「筋肉」によるものか「脂肪」によるものかまでは分かりません。
そのため、BMIが標準(18.5以上25未満)であっても、筋肉が少なくて脂肪がたっぷりついている「隠れ肥満」を見逃してしまうことがあるのです。
■どうして隠れ肥満になってしまうのか?その主な原因
暴飲暴食をしていないのに、なぜ体脂肪ばかりが増えてしまうのでしょうか。そこには、日々の何気ない生活習慣が深く関係しています。
◎運動不足と筋肉量の低下
大きな原因のひとつが、運動不足による筋肉量の低下です。筋肉は私たちの体の中で、エネルギーを消費してくれる大切なエンジンのような役割を果たしています。
運動の習慣がなく筋肉が減ってしまうと、基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー)が落ちてしまいます。その結果、食べた分のエネルギーを消費しきれず、余った分が脂肪として体に蓄積されやすくなるのです。
◎極端なダイエットの落とし穴
「食べないだけ」のような極端な食事制限によるダイエットも、隠れ肥満の原因になります。急激に体重を落とそうとすると、体は脂肪だけでなく、大切な筋肉まで分解してエネルギーに変えてしまいます。
その結果、体重は減っても体脂肪率は高いままという状態になりがちです。さらに、筋肉が減って代謝が落ちた状態で以前の食事量に戻すと、あっという間にリバウンドしてしまい、以前よりもさらに脂肪がつく体質になりやすいのです。
■なぜ放置すると危険?隠れ肥満がもたらすリスク
お腹まわりにつく「内臓脂肪」は、ただのぜい肉ではありません。内臓脂肪が過剰に蓄積すると、体にとって良くない物質が分泌されやすくなります。
これが、血圧を上げたり、血糖値をコントロールする働きを鈍らせたり、血中の脂質(コレステロールや中性脂肪など)のバランスを崩したりする原因になります。
つまり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備軍となってしまうのです。
血圧、血糖値、脂質の少しずつの異常は、自覚症状がほとんどありません。しかし、これらが重なると血管に大きな負担がかかり、動脈が硬くもろくなる「動脈硬化」を進行させてしまいます。
■大丈夫?隠れ肥満の「見分け方」と基準
隠れ肥満かどうかは、体重計の数字を見るだけでは判断が難しいことが多いです。自分自身の体の状態を知るために、いくつかの指標を組み合わせて確認することが大切です。
◎体重と体脂肪率のバランスをチェック
体脂肪率には公的に統一された明確な診断基準はありません。一般的には成人男性で「25%」、成人女性で「30%」を超えると、体脂肪量が増加している目安と考えられています。
ご自身のBMIが25未満の標準体重であっても、体脂肪率がこの目安を超えている場合は、隠れ肥満の可能性があります。
◎お腹まわりのサイズ(腹囲)を測ってみよう
内臓脂肪が溜まっているかどうかを見極める簡単な方法が、腹囲(おへその高さのお腹まわり)を測ることです。
メタボリックシンドロームの診断基準では、男性で「85cm以上」、女性で「90cm以上」の場合、内臓脂肪が蓄積していると判断されます。体重が変わっていないのにズボンやスカートのウエストがきつくなったと感じる方は要注意です。
◎健康診断の結果も大切なヒントに
健康診断の結果が手元にある方は、体重や腹囲だけでなく、血液検査や血圧の項目もチェックしてみてください。
「血圧が少し高め」「血糖値が基準値ギリギリ」「悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が高め」といった項目が複数ある場合は、隠れ肥満の影響が出始めているサインかもしれません。
■すぐに確認できる!隠れ肥満のチェックリスト
ご自身の生活習慣を振り返ってみましょう。当てはまる項目が多いほど、隠れ肥満のリスクが潜んでいるかもしれません。
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定期的な運動やスポーツをする習慣がほとんどない
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デスクワークが中心で、一日中座りっぱなしのことが多い
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歩く速度が、同年代の友人や同僚よりも遅いと感じる
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食事を抜くことが多い、または食事の時間が不規則だ
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過去に「食べないダイエット」で急激に体重を落としたことがある
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お肉や魚などのたんぱく質より、パンや麺類など炭水化物でお腹を満たすことが多い
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体重は20代の頃から変わっていないが、下腹だけぽっこり出てきた
■まとめ:体重ではなく「体の中身」を見直そう
隠れ肥満(正常体重肥満)は、見た目や体重には出にくいからこそ、静かに進行する生活習慣病のリスクに注意しないといけません。大切なのは、ただ体重を落とすことではなく「筋肉をしっかり保ち、余分な内臓脂肪を減らす」ことです。
「健診の数値が気になり始めた」「体重は標準なのにお腹だけ出てきた」といった変化を感じたら、自己流で無理なダイエットをしてリバウンドしてしまう前に、ご相談ください。
健診結果のご相談だけでも構いません。一人ひとりのライフスタイルに合わせた、無理のない改善策をご提案します。
