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血圧が高めでも「元気だから大丈夫」と思っていませんか
健診で血圧を指摘されても、自覚症状がないとつい受診を先延ばしにしがちです。ところが高血圧は静かに血管を傷め、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞という形で表面化することがあります。この記事では放置に伴うリスク、受診の目安、無理なく始められる対策を、岡崎市の内科医の視点からわかりやすくお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 高血圧は自覚症状がないまま動脈硬化を進行させ、全身の血管・臓器に負担をかける可能性がある
- 放置が続くと脳卒中や心筋梗塞など重篤な疾患につながる危険因子となり得る
- 家庭血圧135/85mmHg以上が目安。生活習慣の見直しと早めの受診相談が推奨される
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なぜ高血圧は放置すると危険なのか?「サイレントキラー」の真実

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、「サイレントキラー」と呼ばれることがあります1。痛みも不調もないぶん、気づいた頃には血管や臓器への負担が静かに積み重なっていることが少なくありません。
自覚症状がないまま進行する「動脈硬化」のメカニズム
血圧が高い状態が続くと、血管の内側の壁には常に強い圧力がかかり続けます。すると内膜が傷つき、そこにコレステロールなどが入り込んで沈着し、壁が厚く硬く変化していきます。これが動脈硬化と呼ばれる変化です13。進行すれば血管の内腔は狭くなり、弾力性も損なわれます。やがて血流が滞ったり、血管が詰まりやすくなったりし、脳や心臓の重大な病気の下地がつくられていく可能性があります。
腎機能の低下や認知機能への影響など、広範な臓器への負担
影響を受けるのは心臓や脳だけではありません。腎臓の細い血管が傷むと腎硬化症につながり、進行すれば透析が必要になるケースもあるとされています1。さらに、脳の細い血管が繰り返し負担を受けることで、血管性の認知機能低下と関連する可能性も指摘されています3。全身の血管に張り巡らされているぶん、高血圧はまさに全身に関わる病態といえるでしょう。
【よくある誤解】「頭痛や肩こりがなければ血圧は気にしなくていい」という考え方
「頭痛も肩こりもないから自分は問題ない」と考える方は少なくありません。ところが、症状の有無と血管への負担の進行度は必ずしも一致しないと考えられています1。むしろ症状がないまま進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞という形で表面化することこそが高血圧の注意すべき点です。数値が高い状態が続いているなら、体感に関わらず一度確認しておくことを推奨します。
高血圧の放置が招く2大リスク:脳卒中と心筋梗塞
高血圧を長年そのままにしておいた場合、特に注意したいのが脳卒中と心筋梗塞です。いずれも命に関わり、後遺症によって生活が大きく変わることもある疾患です2。
脳の血管が詰まる・破れる「脳梗塞」「脳出血」への注意
脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血、動脈瘤が破裂するくも膜下出血があります2。高血圧による動脈硬化は脳梗塞の重要な要因の一つとされ、また高い圧力にさらされ続けた細い血管が破れれば脳出血につながることがあります。手足の麻痺や言語障害など、長期のリハビリを要する後遺症が残る場合も少なくありません。
心臓の酸素が途絶える「狭心症」「心筋梗塞」
心臓を動かしている冠動脈が動脈硬化で狭くなると、労作時に胸の痛みが出る狭心症に、完全に詰まれば心筋梗塞へとつながることがあります2。心筋梗塞は突然発症し、そのまま命に関わることもある疾患です。管理されていない高血圧は、この冠動脈疾患の重要な危険因子の一つとされています。
発症した際の経済的負担と入院期間
いざ発症すると、救急搬送・カテーテル治療・入院・リハビリと、医療の負担は長期に及ぶことがあります。数週間から数ヶ月の入院やリハビリが必要になることも珍しくなく、仕事の休職や収入減少といった生活面への影響も避けられません1。予防にかけるコストと、発症後にかかる医療・時間・体力の負担を比べれば、早めの管理のほうが軽く済むケースが多いと考えられています。
寒暖差(ヒートショック)や早朝に高まりやすい発症リスク
冬場の入浴や早朝の起床時は、血圧が急変動しやすい時間帯です。暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動する際の急激な温度差(ヒートショック)や、起床後に血圧が急上昇する早朝高血圧は、脳卒中・心筋梗塞の引き金になり得るとされています2。脱衣所を暖める、熱すぎない湯温にする、起床後はゆっくり動く——日常のちょっとした工夫で備えることができます。
受診を考えるべき血圧の基準値と、医療機関での検査・治療の流れ
「どのくらいの数値になったら受診を検討すべきか」を知っておくと、行動に移しやすくなります。ここでは家庭血圧と診察室血圧の目安、初診の流れ、治療のイメージを整理します。
家庭血圧と診察室血圧の受診の目安
一般的な目安として、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上が続く場合は高血圧と判断されることが多いとされています23。家庭血圧は朝晩の安静時に測定し、複数日の平均で判断するのが基本です。健診で一度高かっただけでも、家庭で継続的に高値が出るようであれば、早めに医療機関へ相談することを検討しましょう。
健康診断で「要再検査」となった後の初診の流れと検査費用
初診では、問診で生活習慣や既往歴を確認したうえで、血液検査・尿検査・心電図などを行い、他の病気の有無や臓器への負担を評価していきます3。費用は保険適用(3割負担)で、初診料や検査を含めて概ね数千円程度が目安です(検査内容により変動します)。「厳しく叱られるのでは」と身構える方もいますが、実際には現状把握と方針相談が中心となります。
「薬は一度飲み始めたらやめられない?」治療と生活習慣改善のステップ
薬物療法に不安を抱く方は多いですが、治療の基本は生活習慣の見直しと薬物療法の併用とされています13。減塩、適正体重の維持、運動、節酒、禁煙などを続けることで血圧が安定し、将来的に減薬・休薬を検討できるケースもあります。「一度飲み始めたら一生」と決めつけず、まずは主治医と一緒に方針を相談していきましょう。
岡崎市の小森内科クリニックで取り組む、無理のない血圧管理
当院では内科・循環器内科の視点から、家庭血圧の記録を活用した継続的な血圧管理に取り組んでいます。健診結果のご相談から、生活習慣のアドバイス、必要に応じた薬物療法の調整まで、働き盛りの患者さまのライフスタイルに合わせた診療を心がけています。「忙しくて後回しにしてきた」という方も、まずは一度ご相談ください。
参考文献
1. 厚生労働省 健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報) https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 日本循環器学会 https://www.j-circ.or.jp/
3. 日本内科学会 https://www.naika.or.jp/
よくある質問
Q1. 高血圧と心筋梗塞の関係は?
A. 高い血圧は冠動脈の動脈硬化を進行させ、血管の内腔を狭くすることがあります。これが進むと心筋梗塞のリスクを高める要因の一つになると考えられています2。
Q2. 高血圧をそのままにしておくとどうなりますか?
A. 自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、脳卒中・心筋梗塞・腎機能低下など全身の合併症につながる可能性があります1。
Q3. 高血圧と脳梗塞の関係は?
A. 高血圧は脳の血管に負担をかけ、脳梗塞や脳出血の主要な危険因子の一つと考えられています2。血圧管理は脳卒中予防の基本とされています。
Q4. 高血圧を5年そのままにしておくとどうなりますか?
A. 期間だけで一律には言えませんが、管理されない期間が長いほど血管や臓器への負担は蓄積しやすくなるとされています1。個人差が大きいため、早めの評価が推奨されます。
Q5. 家庭血圧はいつ測ればよいですか?
A. 朝は起床後1時間以内、排尿後・服薬前・食事前、夜は就寝前が目安です。座って1〜2分安静にしてから測定し、記録を残しておくと診療に役立ちます3。
1980年 自治医科大学卒業
名古屋第二赤十字病院にて臨床研修
1982年 東栄病院内科
1983年 国保作手村診療所所長
1986年 市立岡崎病院消化器科
1987年 市立岡崎病院消化器科副部長
1989年 市立岡崎病院消化器科部長
1990年 新城市民病院消化器内科医長
1991年 市立岡崎病院消化器科部長
1992年 小森内科クリニック開院
2010年 岡崎市医師会副会長
2014年 岡崎市医師会会長
2018年 岡崎市医師会監事
2020年 岡崎内科医会会長
2020年 愛知県内科医会理事
2022年 岡崎市医師会顧問
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本医師会認定産業医
【所属学会】
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
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